言語聴覚士とは?仕事の内容や資格の取得方法を解説
介護

2022年9月2日

言語聴覚士とは?仕事の内容や資格の取得方法を解説

 


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医療機関や福祉施設、教育機関などで食事や発声に障害のある方を支援する、言語聴覚士と呼ばれる職業をご存じでしょうか。聞いたことはあっても、どのような仕事なのか詳しく知らない方も多いかもしれません。
今回の記事では、言語聴覚士の仕事内容や資格の取得方法について紹介します。言語聴覚士を目指している方は、今回の記事を参考にしてみてください。


1. 言語聴覚士ってなに?




言語聴覚士とは、「言語聴覚士法」に基づく国家資格です。言語聴覚士法の第2条では、言語聴覚士は「音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業とする者」と定義されています。
実際に音声機能や言語機能、聴覚に障害のある方の援助を行い、「話す・聞く・食べる」の専門家としての職務を担っています。

言語聴覚士の勤務場所は、医療機関や保健施設、福祉施設、教育機関などです。また、言語聴覚士として働くためには、国家資格に合格して免許を取得しなければなりません。

■言語聴覚士が専門とする障害


言語聴覚士が専門とする障害について紹介します。

・摂食・嚥下


摂食・嚥下(えんげ)の障害は食べものがうまく飲み込めず、口からこぼれたりむせてしまったりする状態を指します。最悪の場合、誤嚥性(ごえんせい)肺炎や窒息、低栄養や脱水になる恐れがあるので、注意しなければなりません。摂食・嚥下障害の主な原因は、以下の3つです。

● 器質的原因:炎症や腫瘍によって飲み込む動作に必要な器官がふさがってしまうことで起こる
● 機能的原因:脳卒中やパーキンソン病など筋肉や神経に異常があることで起こる
● 精神心理的原因:精神的疾患により起こる

具体例としては、脳卒中や加齢による衰え、がんなどがあります。

・成人言語・認知


成人言語・認知の障害は、言葉にしたくてもできなかったり、文字が読めなかったりする状態を指します。そのため、会話が円滑に進まなかったり、本人が引け目を感じてしまったりする恐れがあります。成人言語・認知障害の主な原因は、認知症や脳梗塞、交通事故などです。
言語聴覚士は、一人ひとりに合わせた機能訓練やリハビリなどを行います。

・発声・発語


発生・発語の障害は、口や唇、舌や声帯に異常が生じてうまく発音できない状態を指します。具体例としては、音声障害や構音障害、吃音(きつおん)などです。言語聴覚士は障害の内容を観察したうえで、訓練を行います。


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2. 言語聴覚士の仕事内容




言語聴覚士の仕事内容について紹介します。

■言語聴覚士の職場


言語聴覚士の職場は、医療機関や福祉・介護、教育機関や保健所などがあります。具体例は以下の通りです。

● 医療機関:総合病院、大学病院のリハビリテーション科、リハビリテーション専門病院など
● 福祉・介護:障害福祉センター、子児療育センター、老人保健施設など
● 教育機関:特別支援学校、発達障害児支援センターなど

言語聴覚士の職場の選び方は、「対象とする領域」や「就職する地域」、「指導体制の充実度」などを事前に調査しておくことが重要です。

■具体的な業務内容


言語聴覚士の業務内容は「話す、聞く、食べる」ことに関する訓練や指導です。障害の程度を確認して機能の改善や維持、代わりとなる訓練を行います。具体的には、反射を高めるための訓練や言語の訓練、言葉の引き出しや文字の習得の指導などです。
また、患者の家族にもハンディキャップを軽減する方法を指導します。家族と連携して患者の周辺環境を整えることも、言語聴覚士の仕事です。


3. 言語聴覚士 理学療法士 作業療法士のそれぞれの違い




言語聴覚士は、リハビリテーション専門職としてよく間違えられることの多い仕事ですが、理学療法士、作業療法士との違いはどのようなものがあるのでしょうか。3つの職業の違いについては、以下の通りです。

職種 仕事内容
言語聴覚士 言語・音声・嚥下に困難を抱える方を対象に訓練や指導を行う。発声の仕方や食べものの飲み込み方などを指導・訓練する。
理学療法士 「歩く・食べる・座る」などの身体機能の回復や維持、向上を図る。運動療法や物理療法、歩行訓練や筋力訓練など。
作業療法士 理学療法で回復した患者を対象。社会復帰のための、応用動作の回復を目的としている。作業療法士は心のリハビリテーションも併せて行う。


4. 言語聴覚士になるためには




言語聴覚士になるためには、「文部科学大臣が指定する学校」または「都道府県知事が指定した養成所」のどちらかを卒業しなければなりません。加えて、卒業後は「言語聴覚士国家試験」に合格する必要があります。
学校や養成所によって学び方が異なるため、自分に適した学校・養成所を選びましょう。また、海外で言語聴覚士に関連する学業を修めている場合は、厚生労働大臣の認定を得ることで受験資格の取得ができます。

■言語聴覚士資格の概要


言語聴覚士資格とは、厚生労働大臣の許可を受ける必要がある国家資格です。標記試験の配点は1問1点で、合格点は200点満点のうち120点以上です。また、2022年2月19日に実施した言語聴覚士資格(標記試験)の合格率は75.0%となっています。 (参照元:第24回言語聴覚士国家試験の合格発表について - 厚生労働省

理学療法士や作業療法士の国家資格合格率と比較すると、言語聴覚士は合格率がやや低いため、難易度が高いと言えるでしょう。

■言語聴覚士になるための一般的なルート


高等学校卒業後、言語聴覚士になるための一般的なルートは、以下の通りです。

● 大学での指定科目履修後、指定養成所(2年以上)や大学院の専攻科で学ぶ
● 一般大学卒業後、指定養成所や大学院の専攻科で学ぶ
● 指定大学卒業
● 指定短大卒業(3年制)
● 指定養成所卒業(3~4年制)

上記のいずれかを通過しなければ、言語聴覚士の国家試験は受けられません。


5. 言語聴覚士の年収




厚生労働省の令和2年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果によると、言語聴覚士の平均年収は、約440万円です。言語聴覚士と同じように、リハビリテーションを専門とする理学療法士や作業療法士の年収と比較すると、言語聴覚士のほうが若干低い傾向にあります。
ただし、言語聴覚士は比較的新しい職業です。現在は現場で活躍している年代が20~40代が多数を占めているため、今後年齢や勤続年数に応じて昇給することで、平均年収も上がる可能性があるでしょう。


6. 言語聴覚士に求められるもの




言語聴覚士に求められる特徴や人格などを紹介します。

■幅広い知識


言語聴覚士は医療に携わる仕事なので、基礎的な医学の知識と音声や身体についての知識が必要です。そのため、学校では言語・コミュニケーション行動に関連する医学や心理学、言語学や音声学、音響学や社会科学などを学びます。
他にも専門科目や現場での臨床実習などがあり、幅広い知識を身につけなければなりません。

■コミュニケーション能力


患者の性格や症状を理解し信頼関係を築くためには、コミュニケーション能力が必要です。患者は不安を抱えているケースがほとんどであるため、気持ちを理解し、状態に合わせて必要なことを伝えられるよう心がけましょう。患者の気持ちに寄り添うことで、言語聴覚士に必要なコミュニケーション能力が培われていきます。

■豊かな人間性


臨床現場では、知識や技術以外に観察力や洞察力、表現力などが必要です。これらを伸ばすためには、言語聴覚士資格を取得した後も個人で学習が必要になるほか、職場で得た気付きを活かす努力が必要になります。
さらに言語聴覚士は、言葉で伝えることが難しい患者の思いをくみ取る力も必要です。このように、言語聴覚士として働くためには、さまざまな患者の特徴や症状に対応するための人間性を磨いていかなければなりません。


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7. 言語聴覚士の魅力




言語聴覚士の魅力ややりがいは、患者の訓練の成果が出て「ありがとう」と伝えてもらえたときでしょう。患者が回復に向かっていく様子をサポートしていくことは、自身の励みにもなると言えます。その他にも、結婚や出産後も働けるように援助してくれる職場が多く、離職後に再就職しやすい点や、力仕事が少なく女性も活躍しやすい点も挙げられます。
「働きやすい職場で長く働ける」のが、言語聴覚士の魅力の一つです。


8. 言語聴覚士の将来性




言語聴覚士はリハビリテーション専門職の中では、比較的新しい資格です。そのため、資格取得者が少なく、人手が豊富ではありません。しかし、今後は高齢化社会の影響によって、加齢による言語や音声障害をサポートする言語聴覚士のニーズが、増加していくでしょう。


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9. まとめ



言語聴覚士は「言語聴覚士法」にもとづく国家資格であり、音声機能や言語機能、聴覚に障害のある方の援助を行う職業です。言語聴覚士になるためには、高等学校卒業後「文部科学大臣が指定する学校」「都道府県知事が指定した養成所」を卒業しなければなりません。また、試験の難易度は他のリハビリテーション専門職と比較して簡単ではありませんが、今後さらに需要が高まる職業として、医療や介護の現場には欠かせない存在となるでしょう。
言語聴覚士を目指している方は、ぜひ今回の記事を参考に、資格の取得に挑戦してみてください。



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この記事を書いた人

セントスタッフ株式会社
デジタルマーケティング部
求人あるあるお役立ち情報編集部

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