アセスメントシートとは?書き方や役割、ポイントを解説
介護

2022年5月9日

アセスメントシートとは?書き方や役割、ポイントを解説

 


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相談支援専門員は、障害者支援業務の中でも、比較的新しい職業であるといえます。そのため、研修内容が自治体によって若干異なることが問題視され、研修内容の統一化が行われたことで注目されました。
しかし、資格に興味を持っていても、具体的な仕事内容、資格の取得方法、役割、目的などについて詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
相談支援専門員は、障害を持った利用者と家族をサポートする役割があります。
本記事では、サポートが必要な人に対し、どのように支援をするのか、相談支援専門員の役割や具体的な仕事方法について紹介します。

1. アセスメントシートとは




アセスメントシートとは、介護サービスの利用者がサービスを利用することになった背景や、必要な支援の内容といった基本情報をわかりやすくまとめたシートです。ケアプランを作成するにあたり、利用者と初回の面談をする際に活用されています。アセスメントシートによって、利用者の心や身体の状態と利用者と家族の生活環境などの全体を把握できます。
課題を明確にすることで、さまざまな介護サービスのなかから最適なサポートを受けられる介護サービスや事業者施設を見つけられるのです。



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2. アセスメントシートの役割




アセスメントシートは高齢者の生活環境のほか、心や身体の状態、希望などを確認するために重要なものです。アセスメントシートにはいくつかの書式があり、ケアプランを作るケアマネージャーや介護サービスを提供している事業所、施設でも使用します。重要な情報を確認・共有できるアセスメントシートは、目標設定や介護サポートの方針を決める際にも役立つのです。

さらに、利用者の情報を本人や家族、他の職種と共有するという役割もあります。アセスメントシートにはショートステイ・デイサービス・訪問介護といった居宅サービスに適した様式、老人保健施設・有料老人ホーム・特別養護老人ホームなど施設に適した様式など、それぞれに特徴があります。提供すべき介護サービスや、解決しなければならない課題に適したものを使いましょう。

3. アセスメントシートの様式




アセスメントシートにはいくつかの様式があり、様式ごとに特徴が異なります。そこで、7種類のアセスメントシートの特徴を見ていきましょう。

■包括的自立支援プログラム


包括的自立支援プログラムは、要介護認定に利用される認定調査票と関連があることが特徴です。ケアプランを作るときにヒアリングを担当したケアマネージャーの個人的な意見が含まれていることは珍しくありません。
包括的自立支援プログラムは、認定調査票とアセスメントを関連づけることで、すでに作られたケアプランを再構築します。見直しをすることで、利用者と家族にとって最適なサービスを提供できるようになるでしょう。

■居宅サービス計画ガイドライン


居宅サービス計画ガイドラインは、全国社会福祉協議会が作った様式であり、エンパワメントサポートが含まれていることが特徴です。
例えば、利用者の心や身体の強さを確認してケアプランに反映させることによって、自分の課題を自分の能力で解決するための支援をします。

■MDS-HC方式


MDS-HC方式は、在宅介護事業者、施設事業者の両方で利用できます。在宅介護と施設を両方利用する方の情報を集めて分析する際の基準として、活用されています。MDS-HC方式は、介護サービスを提供する際に重要な機能面・精神面・感覚面のほか、失禁管理・健康問題・ケア管理をすべて把握することが可能です。

■R4


R4は、公益社団法人全国老人保健施設協会が介護老人保健施設での支援のために作った様式です。全国老人保健施設協会が保有する介護老人保健施設の情報を分析して、ICFと呼ばれる国際的分類を利用し、5段階の絶対値評価を行います。

■ケアマネジメント実践記録方式


ケアマネジメント実践記録方式は、広範囲に調査分析を行えることが特徴で、細かいケアマネジメントが実践できる可能性が高くなります。
ケアマネジメント実践記録方式のアセスメントシートは、利用者本人と家族の意見や希望のほか、アセスメントを担当した職員が考える課題も記入します。ただし、記入することが多いため、アセスメントをするのに時間がかかることがあります。

■日本介護福祉会方式


日本介護福祉会方式は、アセスメントシートを作るうえで重要な、要介護者の衣食住、健康、家族関係、社会関係を分析できます。ホームヘルプサービスの実績から作られており、要介護者の価値観や意思、環境といった項目を重視していることが特徴です。

■日本訪問介護振興財団版方式


日本訪問介護振興財団版方式は幅広く利用できることが特徴であり、高齢者に限定せずに使われている様式です。複数回記入できる様式であることから、経緯をチェックしやすいでしょう。

4. アセスメントシートを作成するタイミング




アセスメントシートは利用者との初回の面談時に使います。さらに、利用者の状況の変化や要介護・要支援認定を更新するタイミングや、介護計画書を見直す際のアセスメントでも毎回作成します。

5. アセスメントシートの書き方




アセスメントシートでは、23の項目を聞き取り、記入して埋める必要があります。項目と記入すべき内容、どのようなポイントに注意して聞き取りを行うかを紹介します。

■基本情報についての項目


まずは、利用者の基本情報を記入します。

・基本情報


氏名、住所、性別、電話番号といった基本情報を記入する項目です。

・生活状況


現在の生活環境を記入します。

・利用者の介護保険などの被保険者情報


介護保険、医療保険の加入状況のほか、生活保護を受けているか、身体障害者手帳を持っているかどうかを記入します。

・現在利用している介護サービス等の状況


利用者が現在利用している介護サービスを記入します。

・障害高齢者の日常生活自立度


寝たきり度といった日常生活の自立度を記入します。

・認知症高齢者日常生活自立度


自分で移動できるか、歩行器や車椅子といった補助を必要としているかなど、移動の情報についてチェックリストにまとめて記入します。移動についての情報は、サポートの方針を決める際に大切なポイントです。なお、認知症高齢者の日常生活に関する詳細は、特記事項に記入しましょう。

・主訴(利用者やご家族の主な希望、要望)


介護サービスを提供する際に、利用者本人の意思は第一に尊重されるものです。アセスメントシートで希望や要望が明確に記入されていないと、サポートの方針が要望や希望に適していないものになってしまう可能性があります。主訴には、利用者や家族の要望・希望をしっかりヒアリングして、正しく記入しましょう。

・認定情報


要介護区分の認定結果を記入します。

■課題分析(アセスメント)について項目


基本情報を記入したら、重要なアセスメント項目を記入していきましょう。

・課題分析(アセスメント)理由


課題分析(アセスメント)の理由について、初回・定期・退院・退所のタイミングごとに記入します。

・健康状態


既往歴や症状などの利用者の健康状態を記入します。

・ADL(日常生活動作)についての項目


寝返りや歩行、着替え、入浴、排泄など日常生活の動作について記入します。

・IADL(手段的日常生活動作)についての項目


調理や掃除、買物、お金の管理などの動作について記入します。手段的日常生活動作は自立可、一部介助有などで評価されます。

・認知


日常生活のなかでの意思決定がどの程度行えるかといった、認知能力を記入する項目です。

・コミュニケーション能力


意思を伝えること、聴力や視力といったコミュニケーションに関わる能力について記入する項目です。

・社会との関わり


社会活動に参加しているか、社会とどのように関わっているのか、変化はあったのか、孤独感はないかなどを記入します。

・排尿・排便


排尿や排便の頻度、おむつやポータブルトイレを使用しているかなどを記入する項目です。失禁や排尿・排便をした後の後始末、排尿・排便のコントロールができているかどうかをヒアリングします。

・褥瘡・皮膚の問題


褥瘡(じょくそう)は床ずれとも呼ばれています。褥瘡があるかどうかのほか、皮膚の状態や清潔度合いを記入します。

・口腔衛生


歯や口腔内の状態、口腔内の衛生状況を記入します。

・食事摂取


食事の栄養バランスや食事の回数、水分の摂取量を記入します。

・問題行動


暴言を吐く、暴力を振るうなどの行動があるかどうか、介護に対する抵抗を示すかなどを記入します。さらに、徘徊や異食行動、収集癖などの行動の状況も記入します。

・介護力


介護をする方がいるかどうかのほか、介護をする方の情報などを記入します。

・居住環境


利用者が住んでいる環境や住宅をリフォームする必要があるか、文章や図面で記入します。介護度が高い場合には、バリアフリー設備があるかどうかも大切です。
バリアフリーになっていない、バリアフリーになっているものの自宅で転ぶ・ぶつけるなどのトラブルが多いケースもあるので、住環境の改善が必要な場合は利用者に適した環境を作ることを提案しなければなりません。

・特別な状況


終末期ケアや、介護をしている方の虐待の有無などを記入します。

6. アセスメントシートを作成するときのポイント




アセスメントシートを作成する際は、利用者からヒアリングした内容をメインにすることが大切です。情報収集をすることは重要ですが、利用者以外の方からの情報をメインに作成すると、正しいケアプランが作れません。

また、アセスメントシートはケアマネージャーのためのメモではないため、他の職種の方が見てもすぐに分かるように作成します。状況をスムーズに理解できるよう、簡潔かつ正しく記入しましょう。

7. アセスメントシートのまとめ




アセスメントシートは、詳細を正しく記入することで、利用者に対して適切な介護サービスの提供をすることができます。そのため、アセスメントシートの書き方や様式をしっかり理解しておくことが大切です。

利用者に適した介護サービスを提供するために、アセスメントシートを作成する作業は丁寧に行う必要があります。アセスメントシートの作成を含め、介護職員として知識を身につけ、キャリアアップを目指しましょう。



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この記事を書いた人

セントスタッフ株式会社
デジタルマーケティング部
井上優喜

求人あるあるの求人作成・記事執筆を担当。 介護士として様々な施設形態での勤務実績あり。求職者目線での記事作成が得意。

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