介護

2022年5月13日

介護職のストレスの原因と解消法|限界を超える前に対処しよう

 


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介護職はハードワークなので、肉体的あるいは精神的なストレスはつきものです。しかし、介護職は社会的な意義が大きく、多くの人が誇りを持って働いています。やりがいを感じられるからこそ、健康的に楽しく働き続けたいもの。ここでは介護職の方に役立つ情報として、介護職のストレスの原因や、気を付けるべき症状と対策などについてまとめます。つらいときに適切に対処できるよう、ぜひ参考にしてください。


1. 介護職のストレスの原因




介護職に就く人が直面しやすいストレスには、どのようなものがあるでしょうか。介護職のストレスの主な原因として、以下のようなことがよく取り上げられます。

介護職のストレスの原因
・ 人手が不足している
・ 職場の人間関係
・ 労働条件が良くない
・ 会社の方針が合わない
・ 身体的な負担が大きい

ストレスを解消するには、まず自分自身がストレスを感じている原因を知ることが大切です。原因は一つとは限りません。上記のようなストレスの原因が複数重なって大きなストレスになることもあります。

ここでは、主に公益財団法人介護労働安定センターが実施した「令和2年度介護労働実態調査結果」(調査実施期間 令和2年10月1日~10月31日)に基づいて、それぞれのストレスに関する介護の職場の現状を解説します。

参考:介護労働安定センター「令和2年度介護労働実態調査結果」

■人手が不足している


介護職の抱える最も代表的なストレスは、人手不足です。その背景には、少子高齢化の現代社会で介護施設の利用者が多くいるのに対し、労働力である若い世代の人口が少ないことがあります。60歳以上の介護労働者は全体の2割以上に上り、その割合は年々増加しています。

人手不足は新規採用にも影響を及ぼしています。休日出勤や残業が増え労働環境が整いにくいことから、若い人材が集まりにくく人手不足が解消されない実態があります。

介護職に対する労働条件等の悩みについての調査では、「人手が足りない」と回答した人が最も多く、全体の約52%でした。人手不足の中で利用者さんにサービスを提供しようとすると、一人にかかる仕事の負担が大きくなります。休みが取りにくくなり生活にも支障が出ることから、多くの人が人手不足にストレスを感じているようです。

■職場の人間関係


職場の人間関係も、介護職の主なストレス要因の一つです。介護の現場では少人数でチームを組むことが多いので、一人ひとりとの関わりが濃くなりがちです。そのため、一旦関係が悪くなると、働きやすさに直接的に影響します。幅広い年齢層が働いていることや、正社員、派遣、パートなどさまざまな雇用形態の人が一緒に仕事をしていることも、コミュニケーションを難しくしている要因の一つです。また、看護師や作業療法士など他職種の人とも協力して働く必要があるため、人間関係の問題は生じやすいといえるでしょう。実際、令和2年度介護労働実態調査結果では、仕事を辞めた理由のトップが「職場の人間関係に問題があったため」でした。

さらに、認知対策も仕事の一つのため、認知症の利用者さんに接しながら働きます。仕事の性質上、利用者さんから心ない言葉を投げかけられることもあり、これがストレスの原因になることもあります。

■労働条件が良くない


給与の低さや労働時間などの労働条件が良くないという問題は広く知られており、実際に介護職のストレス要因の一つになっています。介護職は利用者さんの命と安全を預かるという、重大な責任の伴う仕事であるにもかかわらず、それに見合った給与が支払われていないといわれています。無期雇用で働く介護事業所の一般労働者の月給(ボーナスを除く)は、令和2年度の調査で平均243,135円でした。

待遇の低さの問題を受けて、国は介護職の賃金上昇を目的とした「介護職員処遇改善加算」ならびに、技能・経験のある介護職のさらなる待遇改善を目指す「介護職員等特定処遇改善加算」の制度を設けています。厚労省の令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、これらの加算を取得している事業所で介護職の給与の改善が見られます。制度の利用が進むにつれて介護職の賃金は上昇傾向にありますが、まだ解決途上であるといえるでしょう。

■会社の方針が合わない


他の業種にもいえることですが、会社の方針が自分の考えと合わない場合、ストレス要因の一つになります。介護事業所の経営は厳しいところが多いため、売り上げアップやサービスの向上、業務効率化など、難しい指示が下ることもあります。しかし人手不足の中、利用者さん一人ひとりに向き合って仕事をしている現場の介護職にとっては、会社の方針が無理な指令と思うことも少なくないでしょう。「会社が現場を見ていない」「介護職の現状を理解していない」などと感じることが増えれば、会社への不信感がストレスを生み、精神的につらくなるケースがあります。

実際に、会社の方針への不満は、介護職が仕事を辞める理由の上位にランクインしています。令和2年度介護労働実態調査結果では、介護の仕事を辞めた理由として、男性の約23%、女性の約16%が、「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」と回答しています。

■身体的な負担が大きい


介護職の身体的負担の大きさも、見過ごすことのできないストレス要因の一つです。介護職は力仕事の多い職業です。特に移乗介助、入浴介助、排泄介助などは、肉体労働にも近い身体のきつさがあります。そのため、介護職には腰痛に悩まされている人が少なくないといわれています。労働者が高齢化している介護の現場では、身体への負担は働く人にとってますますつらいものにならざるをえないでしょう。人手不足の職場では、一人が受け持つ仕事量が多くなることから、さらに身体的・精神的負担が大きくなり、ストレスを生む原因となっています。

それだけでなく、早朝出勤や夜勤などが求められるところが多いため、生活リズムや体調を整えるのが難しいという面もあります。人手が足りず、休みを取りにくい職場もあるでしょう。労働基準法を守らない職場や、サービス残業が漫然と行われている職場は避けるべきです。


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2. 介護職で発症しやすい「燃え尽き症候群」




これまで述べてきたようなさまざまなストレスが過剰になると、心身に影響が出ることがあります。中でも介護職にとってリスクとされるのが「燃え尽き症候群」です。燃え尽き症候群は、これまで意欲的に働いていた人が突然無気力になってしまう精神的な状態のことをいいます。今ではさまざまな職種でそのリスクが指摘されるようになってきましたが、元々は多大なストレスを抱えやすい介護職をはじめとする対人サービス業で働く人が注意すべきものとされていました。

ここからは、燃え尽き症候群とはどのような精神状態なのか、気を付けるべき症状と併せてご説明します。

■燃え尽き症候群とは


燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)とは、心身が極端に疲れてしまうことによって、一つの物事に没頭して取り組んでいた人が燃え尽きたように意欲を失うことをいいます。過度のストレスに継続してさらされることが原因とされており、うつ病の一種です。活力がなくなって社会生活に適応できなくなるため、休職や退職を余儀なくされることもあります。

燃え尽き症候群については、頑張りすぎたことがストレスになって心を病むのが原因の一つとして指摘されています。そのため、特に仕事熱心な人や責任感のある人などが陥りやすいといわれているのです。

■燃え尽き症候群の症状


燃え尽き症候群かどうかをチェックするために作られたMBI(Maslach Burnout Inventory)というツールでは、燃え尽き症候群の三つの特徴を以下のように定めています。

・ 情緒の枯渇(対象の仕事などに対するエネルギーが全くなくなってしまう)
・ 脱人格化(人に対し冷淡で事務的な態度になる)
・ 個人的達成感の減少(これまで自信のあったものに対しても自信を喪失し、パフォーマンスが低下する)

上記のような状態になると、心身にさまざまな異変が現れます。代表的な症状を以下に示します。

身体的症状 精神的症状
・ 朝起きられない
・ 不眠
・ 食欲不振
・ 息切れ
・ めまい
・ 胃腸障害
・ 偏頭痛 など
・ 仕事に行けない
・ アルコールの量が増える
・ イライラする
・ 対人関係を避ける
・ 他人に無関心になる
・ 悲観的になる
・ 脱力感や絶望感に襲われる など

このような症状が出始めたら、心は病み、身体も限界を超えているサインかもしれません。放置せず、必ず病院を受診するようにしてください。

3. ストレスが限界を超える前にすべき対処法




介護の仕事をしているとさまざまなストレスにさらされる可能性がありますが、限界を超える前に適切に対処することで、自分の心身を守ることができます。ストレスが溜まっていると感じたら、早めに軽減できる行動を意識するのが大切です。

ストレスのもとにうまく対処しようとすることを、ストレスコーピングといいます。ストレスコーピングには、ストレスのもとに働きかけてストレスをなくす方法や、自分と周囲の人の力を合わせて問題を解決する方法、自分の感情を周囲の人に聞いてもらってストレスを減らす方法などがあります。介護の仕事に関するストレスに対しても、さまざまなストレスコーピングを試み、働く自分自身の健康を保つことが必要です。

ここでは、介護職におけるストレスへの対処法について、以下の3点から考えてみましょう。

ストレスへの対処法
・ 周りや管理者に相談する
・ 転職する
・ 生活を見直す

■周りや管理者に相談する


ストレスのもとをなくすためにまず検討すべきは、対象の問題について、周囲の人や管理者に相談することです。職場環境の改善に取り組んでもらえるよう管理者に話をしたり、会議の場でその問題について発言したりすることによって、糸口が見えるかもしれません。職場に相談窓口が設けられている場合、それを利用するのも良い方法です。また、心身の不調を感じている場合は、我慢せず医師などの専門家に相談することが大切です。

周囲への相談がすぐにストレスのもとに対処することにつながらなかったとしても、しんどいときに信頼できる人に話を聞いてもらうことによってストレスが軽減されることがあります。ストレスのもとを変化させて解決するのではなく、ストレスのもとに対する自分の感情を変えるというやり方もストレスコーピングの一つです。人に話をすることで自分の気持ちに変化が生まれ、問題を楽に捉えられるようになるかもしれません。

■転職する


転職によってストレスのもととなっている職場から離れる方法もあります。しかし、場所が違っても介護の職場では同じような問題を抱えていることが多いものです。転職先で同じことが起こらないよう、前の職場でストレスのもととなっていた問題と同じ問題が新しい職場にも存在していないかどうか、という点に気を付けて転職先を選ぶことが大切です。例えば人手不足による負担がストレスなのであれば、スタッフの人数や残業時間などを確認しておくべきでしょう。

また、介護職の中で職種を変えるという方法もあります。例えば介護福祉士としての仕事にストレスを感じているのであれば、資格を取ることでケアマネージャーや社会福祉士などに転身することを考えてもよいでしょう。介護の領域に身を置きながらも立場が変わることで、ストレスなく仕事ができるようになる可能性もあります。

■生活を見直す


ストレスへの対処には生活の見直しも大切です。特に睡眠をしっかりと取ることは、心と身体の両面で、つらい状況の改善に有効といわれています。そのほか、適度な運動や栄養バランスの取れた食事で生活リズムを整え、日々の過ごし方を健康的なものに変えていくことによって、ストレスが解消されやすくなります。心と身体はつながっているので、身体を整えることは精神にも良い影響を与えます。

心肺機能を高める運動を行うと、脳内にエンドルフィンというホルモンが分泌されることが知られています。エンドルフィンは高揚感、幸福感を高める働きがあるため、運動によってストレスに対する負の感情が和らぐことが期待できます。また、プライベートな時間に仕事のことを考えないで済むよう、没頭できる趣味を持ったり、友人と会話する機会を増やしたりすることも効果的です。


4. まとめ




この記事では、ストレスの原因や介護職が注意すべき燃え尽き症候群、ストレスへの対処法などについてお伝えしました。ハードな介護の現場ではある程度のストレスは避けて通れないものですが、それでも多くの人が介護の仕事に魅力を感じて一生懸命仕事をしています。頑張りすぎず、ストレスと上手に付き合って自分自身の心身を守ることも介護職にとって大事な能力です。この記事が、ストレスをうまく処理しながら介護の仕事を続けるためのヒントになれば幸いです。



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